盗まれた当初は、もう少し予算に余裕があれば、またゼファーを買いたいと考えていた。

ただ、だいぶ前に生産終了してから、中古市場の価格上昇が凄まじいことになっていたゼファーシリーズ。

父から譲り受けたゼファー1100に至っては、ASK価格のものも増えていた。

とてもじゃないけど手がでないので,数日の間にせめてゼファーと同じメーカーにしようとこの店にくる前にkawasakiのバイクが良いと考えていた。

 

通算4件目のバイク屋に行き、店内のバイクを眺めていると背の高い店員が話しかけてきた。

「何かお探しでしょうか?」

こっちから話しかけるまで、接客をされるのは好きではなかったが今日来た目的を伝えた。

「ツーリング用のバイクを買おうとおもって来ました」

背の高い男性の名札を見るとどうやら店長らしい。

店長は間を置かずに聞いてきた。

「欲しいバイクとか決まってますか?全国の店舗から取り寄せることもでますよ」

その時に初めて全国から取り寄せられることを知った。

とりあえずkawasakiが良いと答えた。

 

エストレヤとの出会い

 

店員がついてこいというので、後ろを歩いていると1台のバイクの前で止まった。

「こちらとかどうでしょうか?エストレヤというkawasakiのバイクです」

 

見た目もキレイで価格と維持費の事を考えるこの先丁度いいバイクだと思った。

ただ年式が古いので、これにするべきか悩んでいた。

そんな姿を店員は買うか悩んでいた葛藤を見抜いたかのように「こちらのエストレヤは、調子の良いバイクですよ」とニコッと笑いながら喋った。

トドメの一言をいわれ、気づいたら商談成立。

こうして、新しい相棒は、ゼファーから250㏄のエストレヤに変わることになった。